ピル

ピル

当院では低用量ピルとミレーナの診療を行っています。

低用量ピルは毎日服用することでホルモンバランスを整え、効果を得るお薬です。ミレーナは一度子宮内に挿入すると最長5年間効果を得ることができます。出産経験のない方には低用量ピル、ある方にはミレーナをおすすめしています。

低用量ピル

辛い月経痛や不規則な生理周期で悩む女性に、低用量ピルという選択肢についてお話しします。

低用量ピルは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンを含むお薬です。避妊のために使うことがありますが、それだけが目的ではありません。多くの女性が経験する月経痛やPMS(月経前症候群)、さらには生理周期の不規則を改善する方法として広く使われています。

月経は赤ちゃんの誕生に大きく関わる大切な仕組みですが、それまでは毎月の憂鬱なイベントです。痛みは単なる不快感にとどまらず、日常生活や仕事、学業に大きな影響を及ぼすこともあります。こうした痛みに対し、低用量ピルは有効な解決策の一つです。

低用量ピルの効果とメリット

月経痛の軽減

低用量ピルは月経痛を軽くする効果があります。ホルモンの変化をコントロールすることで、月経量を約1/3に減らし生理中の痛みを和らげます。

周期の規則性

生理周期を一定に保つことができます。これにより、生活リズムが整い、旅行や試験などの計画が立てやすくなります。

PMSの緩和

ホルモンの大きな変動をおさえ、バランスを整えることで月経前症候群(PMS)の症状を和らげる効果があります。生理前のむくみや肌荒れ、便秘などの症状をおさえることができます。またイライラや落ち込みなど、精神的な不調を軽減できる可能性があります。

長く飲み続けることで、卵巣癌や子宮体部癌、直腸癌になる確率を減らすことができます。

低用量ピルの副作用とデメリット

低用量ピルは、月経痛の軽減や生理周期の調整など、多くのメリットがありますが、一部の女性には副作用が現れる場合もあります。ここでは、それらの可能性についても正直にお伝えします。

副作用
初期の不快感

低用量ピルを服用開始した最初の数ヶ月間は、吐き気や頭痛、乳房の張りといった副作用が現れることがあります。これらは通常、体が慣れるにつれて徐々に軽減します。

気分の変化

一部の女性では、気分の落ち込みやイライラといった変化を感じることがあります。これらの症状が持続する場合は、医師に相談してください。

血栓リスクの増加

ごくまれに、低用量ピルは血栓形成のリスクをわずかに高める可能性があります。特に喫煙する女性や40代以上で初めてピルを服用する方、血BMIが高い方などはリスクが高いと言われています。当院では喫煙している方は、しっかり禁煙して頂いてから服用することを推奨しています。ご了承ください。

デメリット
毎日の服用が必要

低用量ピルは効果を維持するために、毎日同じ時間に服用する必要があります。

性感染症からの保護はしない

HIVを含む性感染症から保護するわけではありません。

不正出血

飲み始めた数か月や飲み忘れがあったときに、不正出血が起きることがあります。飲み続けているうちにホルモンバランスが安定し、不正出血は減っていきます。

まずはご相談ください

低用量ピルの利用を考える際は、医師との相談が不可欠です。ピルには様々な種類があり、個人の状態やニーズに合わせた選択が可能です。当院では一人ひとりの悩みや希望に耳を傾け、最適なアドバイスを提供します。

月経痛で悩む女性が、より安心して快適な日々を送ることができるよう、当院は全力でサポートしたいと考えておりますので、お気軽にご相談ください。

避妊目的の低用量ピル(自費)

避妊目的で低用量ピルを服用する場合は、自費診療になります。初回診察のお支払いは約6,000円程度になります。

内容 料金(税込)
初診料 2,200円
再診料 1,100円
フリウェル(28日分) 2,800円
アンジュ(28日分) 2,800円
ドロエチ(28日分) 2,800円
定期検診(3か月に1回採血) 3,000円

アフターピル(緊急避妊ピル)

当院では「女性が産みたいときに産める社会」を理想としており、アフターピルの診療も行っております。

アフターピルとは性交渉後に望まない妊娠を防ぐための緊急避妊薬であるアフターピルは、避妊に失敗したり、避妊措置を取らずに性交渉をしてしまった場合に、妊娠を防ぐために性交渉後に服用する薬です。この薬は、黄体ホルモンの作用によって排卵を抑制したり遅らせることで、妊娠を防ぎます。またホルモンをコントロールすることで着床を難しくしたり、精子が卵子へ到達するのを防ぐ効果も期待できます。

しかし、既に着床が完了している場合には、アフターピルは効果を発揮しません。効果については、性交渉後72時間以内に服用した場合、約95%の女性が妊娠を防げるというデータがありますが、服用するほど早ければ早いほど、その避妊効果は高まります。

副作用に関しては、人によって異なりますが、最も一般的なものに不正出血があり、その他に頭痛、吐き気、倦怠感などが現れることがあります。これらの副作用は通常、服用後1日程度で改善されることが多いですが、特に不正出血については、次の月経が来るまで続くことがあります。またアフターピルを使っても、将来不妊症になるわけではありません。安心して服用してください。

不安や心配事がある時、一人で抱え込まずに、専門家に相談することが大切です。当院では、あなたが感じている不安や心配に寄り添い、正しい情報とサポートを提供したいと考えております。

アフターピルの料金

内容 料金(税込)
初診料 2,200円
ノルレボ錠1.5mg 11,000円
13,200円

月経移動(中用量ピル)

日常生活を快適に過ごすために、月経の時期をずらしたいとお考えの方もいらっしゃると思います。そのようなときは、中用量ピルをお勧めします。例えば、旅行やスポーツ、結婚式などの時期に月経を避けたいケースなどが対象です。

内容 料金(税込)
初診料 2,200円
薬代 3,000円
5,200円

ミレーナ

ミレーナ

ミレーナは、3㎝くらいの小さな子宮内に入れる器具です。黄体ホルモンを少しずつ出すことで、ホルモンをコントロールして月経痛を緩和させたり、避妊効果を持続させます。事前に超音波で子宮筋腫等がないかチェック、がん検診や感染症の検査をします。挿入は月経直後に行います。

ミレーナの効果・長所

  • 1回の装着で5年間有効
  • ピルと同等の避妊効果
  • 月経困難症や過多月経の症状緩和(保険適応の場合あり)
  • 子宮体がんの予防になる
  • 単純型子宮内膜増殖症に効果
  • 喫煙者や40代など、ピルを使いにくい方にも使用可能
  • 腟内リリース糸によって容易に抜去可能

ミレーナのリスク・短所

  • 頻度は低いが自然脱出する場合がある
  • 性感染症、子宮粘膜下筋腫と診断された場合は使用不可(性感染症の場合は治療後に)
  • 未産婦の方など、子宮口が狭い場合は挿入時に若干の痛みを伴うことがある

ミレーナの料金(自費の場合)

内容 料金(税込)
初診料 2,200円
再診料 1,100円
ミレーナ挿入(超音波検査) 200,000円
ミレーナ抜去 10,000円(当院挿入の方のみ)
定期検診(超音波検査で位置確認) 3,000円

※保険適応の場合は、保険点数による料金になります。