生理不順(月経異常)とは
生理不順には、月経周期の異常、経血量の異常などがあります。多嚢胞卵巣症候群や子宮筋腫などが原因になっているケースもあるので、まずは受診し、必要な検査を受けておくことが大切です。生理不順などの違和感を覚えたときは、遠慮なくご相談ください。
生理不順の種類
- 稀発月経
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- 月経の周期が極端に長くなり、39日以上の間隔が開くタイプの月経不順です
- 主な原因としては、卵巣の働きが不十分なため、ホルモンが順調に分泌されていないことが考えられます
- 稀発月経でも排卵があるのなら妊娠・出産は不可能とは言えません
- ただし、無排卵周期になっているケースも少なくありません
- 周期の長い状態が続くときは、ホルモンバランスの状態や排卵の有無を調べるようにしましょう
- 頻発月経
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- 月経周期が短くなり、24日以下のサイクルになるタイプの月経不順です
- 主な原因は、ストレスによるホルモン分泌の乱れや卵巣機能の低下です
- 患者様の中には、黄体ホルモンの分泌が不十分で、排卵日から月経開始までの期間が短くなるケースもあります
- 黄体ホルモンが不足すると、子宮内膜が十分に成熟しないため、妊娠しにくかったり、妊娠しても流産しやすくなったりします
- 妊娠出産を望んでいる方は、早めに婦人科を受診し、ホルモンの分泌状態を調べたほうがよいでしょう
- 過長月経
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- 過長月経は、月経期間が8日以上続く状態です
- 主な原因としては、ホルモンバランスの乱れや子宮の病気が考えられます
- 女性ホルモンの分泌に関係する器官に何らかのトラブルがあって無排卵周期になっていることが考えられます
- 黄体ホルモンの分泌が不十分なために黄体機能不全になっていることもあります
- 過多月経
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- 過多月経では、出血量が増える、経血にレバー状のかたまりが混じる、月経痛がひどいなどの症状が見られます
- 一過性のこともありますが、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜炎、子宮がんなどが潜んでいることもあるので、婦人科で必要な検査を受けるようにしましょう
- 過少月経・過短月経
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- 過少月経は、経血量が極端に少ない状態です
- 過短月経は、一回の月経期間が2日以内で終わってしまうような場合です
- 女性ホルモンの分泌量が少ないため子宮内膜が厚くならない、あるいは子宮の発育不全、甲状腺機能の異常が原因のこともあります
- 月経は来ても排卵の無い無排卵月経になっているケースも少なくないので、長く放置すると不妊の原因にもなりえます
- ホルモン剤などによる治療が必要なケースもあります
検査・治療など
生理不順が続いているときは、まず問診を行ったうえで、内分泌検査やエコー検査、基礎体温測定によって診断をつけていきます。子宮がんなどの病気によって生理不順が起こっていると考えられるときは、子宮がん検診なども追加します。
治療は多くの場合は薬物治療を行います。エストロゲンやプロゲステロンを投与することにより、月経サイクルなどを正常に近づけていきます。必要に応じて漢方治療や排卵誘発法を取り入れることもあります。なお原因によっては治療や外科手術検討のため他院を紹介します。